登り窯 [窯元路地歩き]
兵庫陶芸美術館主催の「丹波焼の郷 窯元路地歩き」に参加して来ました。
ボランティアガイドの方の案内で窯元さんの工房や登り窯を見学することが出来ました。
(今回は写真、解説文が多いので、記事を折り畳んでいます)
少し斜面を上がって行くと登り窯の煙突が見えてきます。
上立杭の登り窯は、斜面に沿って明治28年に築造された長さ47メートル、袋数(燃焼室)9の窯です。
登り窯の築造は、山麓の傾斜地に「そだて石」とよぶ石を並べて基礎とし、割り竹を縄で編んだものを
支えとして、両側から「まくら」を半円形に積み上げます。このまくらは、山土を型に入れてこしらえた
立方体の日干し煉瓦で、現在では鉄板を支えとして積まれることが多いようです。このとき出入り口や
燃料の投入口も設けられ、最後に「ごぢん」とよぶ窯内部の床を厚く塗り固めて完成します。
登り窯の裏側です。窯の焚き口のある火床には丸い「へそ穴」があります。
窯元さんはここから自分の作品の仕上がりを想像しながら窯入れをされるんですね。
登り窯による焼成は約60時間続き、最高温度は1300度に達しますが、その結果燃料である松薪の灰が器の上に
降りかかり、釉薬と融け合って窯変し、「灰被り(はいかぶり)」と呼ばれる魅力的な色や模様が一品づつ異なって
表れるのが丹波焼の大きな特徴です。
窯の先端部のくどには煙出しが設けられ「くど先」「火さき」又はその形から「蜂の巣」と呼ばれています。
丹波焼きとは
丹波焼きは、平安時代末期に発祥したとされ、瀬戸、常滑(とこなめ)、信楽、備前、越前、とともに
日本六古窯(にほんろっこうよう)の一つに数えられています。
桃山時代までは「穴窯」が使用されていましたが、慶長16年(1611)年頃半地上の「登り窯」が導入され、
同時期に取り入れた蹴りロクロ(日本では珍しい丹波独特の左回転ロクロ)により、産地の発展を遂げました。
当初は、壷やかめすり鉢等が主製品でしたが、江戸時代前期小堀遠州等の指導により、茶入、水指、茶碗等の
茶器類に多く名品を生み、後期には篠山藩の保護育成により、直作、一房、花遊、一此等の名工が腕を競って、
丹波焼の名を高めました。窯が開かれてからおよそ800年、陶器ならではの温かみがあり、素朴な「生活用器」
を今日まで焼き続けております。(今回の記事の解説はHP及びパンフレットから抜粋しました)
長い記事にお付き合い頂きありがとうございました。
撮影:兵庫県・篠山市・立杭
カメラ:RICOH GR DIGITAL III
同県に住んでても、北部はちょいと遠いんですよね。。。
でもこういうイベントがあれば、行くチャンスも出来るな~と(^^)。
丹波焼きの逸品が、我が家に一つあり。
by jon_bovi (2009-10-17 21:08)
>jon_boviさんへ
確かに大阪からなのでめちゃくちゃ遠かったです。
丹波牛も上手いし、空気も上手いし、寒くなる前に是非。
by adelie (2009-10-18 00:12)
僕は関東なのでちょっくら…というわけにはいかないですね;
でもこういうイベント参加してみたいです~貴重な体験ですよね!羨ましいです。
by ka14 (2009-10-18 00:58)
>ka14さんへ
写真をするか、陶芸をするか、悩んだ時期もあったので楽しく見れました。
ぜひ関東でも窯元さんはあると思うので一度如何ですか?
by adelie (2009-10-18 01:06)
登り窯って聞いたことがあります。ここ独特の窯の設置法なんですよね?
2枚目のお写真の風景のたたずまいが、何となく良いなあと感じました。
by Dr Ken (2009-10-18 07:54)
ガイドさんのたたずまい、背中がイイですねぇ。
by kk (2009-10-18 10:30)
陶芸って、ちょっと興味があって、
やってみたいな思ってたんですが、かなり奥深そう。
「灰被り(はいかぶり)」
ふむ、ふむ、そういうことだったんですね。。。
by cjlewis (2009-10-18 11:32)
登り窯すごい!
私も行ってみたくなりました♪
by gyaro (2009-10-18 16:12)
>Dr.Kenさんへ
全国にも6箇所ほどしかないようですね。
窯元に一人で入っていく勇気はないのでイベントに参加しました。
>kkさんへ
恐らく現役を引退された方がボランティアガイドをされているんだと思いますが
こういう第二の人生の送り方ってすばらしいなと思いました。
>cjlewisさんへ
文章だけでは分かりにくいですが、こういう場所に行くと理解が深まります。
>gyaroさんへ
関東にもあるのでしょうか?機会があれば一度ぜひ行ってみてください。
by adelie (2009-10-18 23:08)